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網羅する観測網 概要  Hi-net  K-NET  KiK-net  F-net  V-net  S-net  DONET  N-net  コラム 



全国を網羅する、陸域と海域を
統合した地震・津波・火山の観測網

 防災科学技術研究所(以下、防災科研)では、平成7年に発生した阪神・淡路大震災を契機として、全国の陸域において高感度地震観測網(Hi-net)、全国強震観測網(K-NET)、基盤強震観測網(KiK-net)、広帯域地震観測網(F-net)の整備・運用を行ってきました。また、16の火山において基盤的火山観測網(V-net)の整備を行い、火山活動を観測しています。

 海域においては、平成23年に発生した東日本大震災を受け、海域を震源とする地震や津波の早期検知・情報伝達などを目的として、日本海溝海底地震津波観測網(S-net)を北海道沖から房総半島沖までの海底に整備しました。加えて平成28年4月には、紀伊半島沖から室戸岬沖にかけて整備された地震・津波観測監視システム(DONET)が海洋研究開発機構より防災科研に移管されました。また、新たに高知県沖から日向灘にかけて南海トラフ海底地震津波観測網(N-net)の整備を平成31年に開始し、令和6年度末に整備を完了する予定です。

MOWLAS

微小地震の調査観測や
緊急地震速報などに活用

Hi-net | 高感度地震観測網 | High Sensitivity Seismograph Network Japan

約20km間隔で全国約800ヶ所に設置された高感度地震計による観測網です。人が感じることができないほどの微弱な揺れを正確に記録するために、地震計はノイズを避けた深さ100∼3,500mの井戸の底に設置されています。地震計で記録された信号は、防災科研に常時伝送され、地震の起きた位置の推定(震源決定)などに用いられます。

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  • 震源分布

    Hi-netの観測により捉えられた地震の3D震源分布表示(2012年1月∼2016年12月)

  • 地震計ユニット

    Hi-net/KiK-net地震計ユニット

  • 地震時のリアルタイム防災情報や
    地震ハザード・リスク評価などに活用

    K-NET | 全国強震観測網 | Kyoshin Network

    強震観測の目的は被害を及ぼすような強い揺れを振り切れることなく正確に記録することです。阪神・淡路大震災により、我が国では地盤の強震動を全国的に観測する組織的な取り組みが不十分であったことが浮き彫りになりました。これを受けて、防災科研は全国を約20km間隔で覆う1,000ヶ所の強震観測施設からなるK-NETを完成させました。現在設置されている強震計は震度計の機能も有しており、気象庁による震度発表にも貢献しています。

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  • 観測装置

    K-NET観測装置

  • 観測施設

    K-NET観測施設

  • KiK-net | 基盤強震観測網 | Kiban Kyoshin Network

    Hi-netと同じ観測施設に地表と地中にペアで強震計を設置し、基盤強震観測網を構成しています。このような地中観測を含めた全国的に均質かつ高密度な強震観測体制は、世界でも類をみないものです。地表と地中で揺れを計測することにより、地盤による強い揺れへの影響の解明に役立っています。

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  • モニタ

    強震モニタ

  • 観測施設

    Hi-net/KiK-net観測施設

  • 地震の規模や断層運動の即時把握
    震源における破壊の様子の解明に活用

    F-net | 広帯域地震観測網 | Full Range Seismograph Network of Japan

    全国約70ヶ所に設置された広帯域地震計による観測網です。高精度の広帯域地震観測を行うには温度変化や気圧変化が大きな障害となるため、奥行き数十mの横坑(トンネル)の奥に地震計が設置されています。地震による地面のはやい揺れから非常にゆっくりとした揺れまで幅広い周期の地震動を記録でき、断層破壊の様子や地球内部構造研究に用いられます。

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  • 観測施設

    F-net観測施設

  • 観測施設外観

    F-net観測施設外観(入口)

  • 広帯域地震計(中央)速度型強震計(左)

    広帯域地震計および速度型強震計

  • 火山活動の推移把握
    マグマ溜まりの膨張や収縮量の推定に活用

    V-net | 基盤的火山観測網 | The Fundamental Volcano Observation Network

    火山噴火予測の実用化と火山防災をめざし、16 火山に整備してきた基盤的火山観測網です。最近の三宅島・伊豆大島・伊豆東部火山群噴火の際、その前兆を捉えた埋設式の地震・傾斜計を配備しています。さらに、マグマの蓄積状況を把握するためGPS、噴火の状態を理解するための広帯域地震計を備えています。

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  • V-net観測施設

    V-net観測施設(岩手山)

  • V-net観測施設

    V-net観測施設(北海道駒ヶ岳)

  • 海域で発生する地震に対する緊急地震速報の迅速化
    沖合いでの津波の実測・検知による津波即時予測への活用

    S-net | 日本海溝海底地震津波観測網 | Seafloor observation network for earthquakes and tsunamis along the Japan Trench

    海域で発生する地震や津波を観測する大規模な海底観測網です。平成23年の東日本大震災を受けて、北海道沖から千葉県の房総半島沖までの海底に地震計や水圧計から構成される観測装置を150点設置しています。各観測点のデータは光海底ケーブルで陸上局に伝送され、さらにそこから地上通信回線網で防災科研に送信されています。

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  • 観測装置

    S-net観測装置

  • 水圧計

    S‐net観測装置に組み込まれている水圧計

  • 敷設の様子

    S-net敷設の様子

  • DONET | 地震・津波観測監視システム | Dense Oceanfloor Network system for Earthquakes and Tsunamis

    南海トラフで発生する地震や津波を観測するために海洋研究開発機構により開発された観測網で、平成28年4月に防災科研に移管されました。南海トラフ海域の熊野灘と紀伊水道沖に計51ヶ所の観測点があり、あらゆる種類の信号をキャッチできるよう、多種類のセンサー(強震計、広帯域地震計、水圧計、ハイドロフォン、微差圧計、温度計)から構成されています。センサーの交換や観測点の増設など、拡張性と置換性に優れています。観測されたデータは、リアルタイムで関係機関に送られています。

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  • 分岐装置

    拡張用分岐装置(ノード)

  • 圧力センサ

    圧力センサシステム

  • 地動センサ

    地動センサシステム

  • 陸上局

    DONET陸上局

  • N-net | 南海トラフ海底地震津波観測網 | Nankai Trough Observation Network system for Earthquakes and Tsunamis

    南海トラフ地震の想定震源域のうち、観測の空白域である高知県沖~日向灘に整備中の観測網で、地震計や水圧計から構成される観測装置を36点設置する計画です。(18点については既に整備を完了)N-netはS-netと同じく光海底ケーブルに観測装置を数珠つなぎにし広範囲の海域をカバーするのと同時に、DONETのような拡張性も有するハイブリッド方式となっています。N-netの整備により、地震動は最大20秒程度、津波は最大20分程度早く直接検知できるようになります。

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  • 観測装置

    敷設船内のN-net観測装置

  • 観測装置

    敷設船から繰り出される観測装置

  • 陸上局

    N-net串間陸上局

  • コラム

    MeSO-net | 首都圏地震観測網 | Metropolitan Seismic Observation network

    meso-net

    首都圏の揺れを詳細に観測するとともにその下の地震活動等を高精度に把握することを目的として東京大学地震研究所が中心となって構築した観測網です。都市部の大きな人工ノイズを軽減するため地下約20mに地震計を設置した約300の観測点により、首都圏周辺を2~5kmという高密度でカバーしています。平成29 年4 月に防災科研に移管され、運用しています。

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    博物館展示

    国立科学博物館や日本科学未来館などでは、MOWLASにより捉えられた日本周辺で発生した地震の波形や震源分布のデータを分かりやすく展示しています。

    博物館
     国立科学博物館
      

    未来館
     日本科学未来館
      

    科学館
     名古屋市科学館

    ジオパークセンター
     室戸世界ジオパークセンター